| ≪前ページ | 次ページ≫ |
納税資金の過不足分析
Q4.相続税の納税資金は大きく不足としていますが、生命保険は嫌いで、活用していません。生命保険の活用についてどのように考えればよいのでしょうか。
<ポイント>
保険料を相続税の分割前払いと割り切って考えることがポイントです。
A4.必要納税資金に対して相続財産と相続人所有の金融資産(現預金・生命保険金・上場有価証券等)がいくら準備できるかを試算し、相続税の支払能力の有無をチェックし、対策の必要性を確認します。相続税の支払能力の判定には、【納税資金÷相続税×100】で求めます。この割合を相続税のカバレッジといいます。この比率が100%よりも小さければ小さいほど対策が必要であることを示しています。納税資金の不足を解消するためには、(1)節税対策により相続税額を軽減すること、及び、(2)納税資金対策により資金を増やすことがポイントです。納税資金対策では「生命保険」の上手な活用がポイントです。終身保険の有期払いで加入すれば、確実に死亡保険金を相続税の納税資金に充当することができます。そのため、支払保険料は相続税の分割前払いと考えることもできます。このことにより、所有土地等を譲渡または物納することなく相続税の納税を完結させることができます。納税資金対策と節税対策は真に車の両輪のごとく着実に実行することが大切です。
(出典 税理士法人FP総合研究所)
生命保険などによる対策
Q5.あまりリスクを負うような相続対策は避けたいと考えています。生命保険の活用だけで相続対策を実行する方法はありませんか。
< ポイント >
正味財産額が3億円以下で、生命保険加入が可能な年齢と健康状態であれば相続対策は実行可能です。
A5.正味財産額が3億円以下で、生命保険加入が可能な年齢と健康状態であれば、生命保険の加入だけで相続対策は十分といえます。大きな節税効果は期待できませんが、少ない保険料負担で必要な相続税の納税資金を準備できれば「小さなコストとリスク」で「大きな効果」を上げることができます。すなわち、相続財産を無傷で残すために生命保険金を活用し、死亡保険金で相続税をカバーすればよいのです。そこで、相続財産を無傷で残すための生命保険額(相続税を支払うために必要な生命保険金額はいくらか)を下記の表にまとめてみました。
例えば、相続財産が3億円で配偶者と子1人の場合、「3,375万円」の死亡保険金を確保し、その死亡保険金を子が受け取り、そのまま相続税に充当すれば、納税は完了し、その他の財産は無傷で残ります。
<検証>
相続財産 3億円+(3,375万円−500万円×2人)=32,375万円
32,375万円−(5,000万円+1,000万円×2人)=25,375万円
相続税 配偶者 25,375万円×1/2×40%−1,700万円=3,375万円
子供 25,375万円×1/2×40%−1,700万円=3,375万円
配偶者の税額軽減▲3,375万円
納付すべき相続税 3,375万円
↓
死亡保険金 3,375万円で納税可能
| 評価額 | 配偶者 | 子 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 相続財産 | 30,000 | 16,187.5 | 13,812.5 | ||
| 生命保険金 | 3,375 | − | 3,375.0 | ||
| 非課税 | △1,000 | − | △1,000.0 | ||
| 課税価格 | 32,375 | 16,187.5 | 16,187.5 | ||
しかし、配偶者の相続についての対策は講じられていませんので、配偶者が一次相続で取得した財産額16,187.5万円に対して、配偶者も3,625万円の生命保険に加入しておく必要があります。
<検証>
相続財産 16,187.5万円+(3,625万円−500万円×1人)=19,312.5万円
19,312.5万円−(5,000万円+1,000万円×1人)=13,312.5万円 第2章 生前対策「生命保険」の活用
相続税 子 13,312.5万円×40%−1,700万円=3,625万円
↓
死亡保険金 3,625万円で納税可能
相続税の納税資金を生命保険だけで準備することは理論的には可能ですが、被保険者の年齢が高いことからも保険料も相当な金額になります。保険料負担に耐え得る限度という視点から判定しても、課税価格が「3億円」以下の場合に生命保険だけで納税資金の準備が可能と考えられます。 無傷で財産を残すための生命保険額 (単位:万円)
| 相続財産 | 配偶者がいる場合 | 配偶者がいない場合 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| その他の相続人 | その他の相続人 | |||||||
| 子1人 | 子2人 | 子3人 | 子4人 | 子1人 | 子2人 | 子3人 | 子4人 | |
| 10,000 | 175 | 100 | 50 | 0 | 625 | 350 | 200 | 100 |
| 15,000 | 600 | 463 | 350 | 288 | 2,833 | 1,250 | 900 | 700 |
| 20,000 | 1,295 | 950 | 812 | 675 | 6,167 | 3,143 | 1,875 | 1,450 |
| 25,000 | 2,177 | 1,586 | 1,375 | 1,237 | 9,500 | 5,667 | 3,643 | 2,500 |
| 30,000 | 3,375 | 2,470 | 2,000 | 1,800 | 14,100 | 9,000 | 5,786 | 4,143 |
| 35,000 | 4,625 | 3,530 | 2,882 | 2,500 | 19,100 | 12,333 | 8,500 | 6,286 |
| 40,000 | 5,875 | 4,591 | 3,848 | 3,382 | 24,100 | 15,667 | 11,833 | 8,429 |
| 45,000 | 7,125 | 5,687 | 4,909 | 4,265 | 29,100 | 19,000 | 15,167 | 11,333 |
| 50,000 | 8,375 | 6,937 | 5,970 | 5,227 | 34,100 | 23,200 | 18,500 | 14,667 |
| 60,000 | 11,067 | 9,437 | 8,001 | 7,348 | 44,100 | 33,200 | 25,167 | 21,333 |
注)配偶者が1/2相続するものとして計算しています。
(出典 税理士法人FP総合研究所)
参考サイト
| ≪前ページ | 次ページ≫ |
