相続対策の基本的な考え方

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財産の棚卸しから

Q1.財産の棚卸しを行った後に、まず何を検証すればよいのですか。

<ポイント>
まず納税資金の過不足を検証し、資金不足が予想される場合には、その対策を実行するようにします。

A1.財産の棚卸をして、真っ先に確認すべきことは、相続税は財産課税であることから、相続税の納税で相続人が困ることにならないかをチェックすることです。国税庁が公表している平成18年度の相続税の統計年報によれば、日本の資産家の所有する財産の52.8%は不動産で、現預金の割合はわずか20.6%程度しかありません。相続税の最高税率が50%であることからそれなりの資産家の相続人のほとんどのケース、相続税の納税資金に困る事例が多いのが現状です。

また、所有する不動産は推定被相続人が先祖から相続等により取得したもので、新たに取得した不動産は少ないケースが大半と思われます。そのため、「家の財産」である不動産を次の世代に承継していく義務を履行するため、日夜ご苦労されているのが現状ではないでしょうか。そこで、大切な不動産をより多く次の世代へ承継していくために、生命保険を上手に活用することが大切です。相続税は死亡して初めて課税されることとなり、生命保険金も死亡により現金で保険金を受領することができます。生命保険を上手に活用すれば、少ない資金で大きな納税資金を確保することも可能で、そのことで大切な先祖からの財産をより多く次の世代に承継していくことができます。相続税の納税資金対策として生命保険の活用をする場合、➀終身保険で、➁相続税の非課税額(法定相続人一人当たり500万円)以上を確保し、➂相続税の非課税額を超える生命保険については、契約者と受取人を相続人とする一時所得型の保険契約形態とするなどがポイントです。

(出典 税理士法人FP総合研究所)

節税対策より家族の幸せ対策を

Q2.相続対策といえば、節税重視型の対策が多く見受けますがどのような考え方で取組めばよいのでしょうか。

<ポイント>
節税対策よりも優先して、「争族対策」と「納税資金対策」をしっかりと実行することが大切です。

A2.相続対策は、「争族対策」が最重要課題で、次に「納税資金対策」をしっかり と行い、そして「節税対策」も併せて行うように組み立てます。

争族防止のためには、遺言書の作成による対策が大変効果的であり、その他、生前 に遺産分割しやすいように財産を分割または換金しておくことなどが考えられます。

納税資金対策は、相続税が超過累進課税であり、適用される限界税率が30%から50%であるケースも多くあります。しかし、相続財産に占める現預金の割合は平成18年度版国税庁統計年報書から見ると20.6%にすぎません。そのため、一時に現金で納税することは困難となりその対応を間違えると最悪の場合、相続破産にまで発展しかねません。

節税対策は毎年税法改正が行われることから、現在効果的な対策も法改正によりその効果も大きく減殺されることも予想されます。そのため、節税重視の対策は賢明な選択とはいえません。

相続対策が節税重視型になると税制改正のリスクをこうむる危険性が高くなります。相続税は相続が発生したときの税法を適用することになることから、現在有効な節税対策も相続発生時点ではその効果が大きく減殺されてしまうこともあるかもしれません。 そのため、争族対策や納税資金対策を中心に実行し、結果として節税対策にも効果があったとするような取り組み方が望ましい姿といえます。

  • *「争族」とは、相続人が遺産争いを行うことを意味する造語です。
  • *限界税率とは、適用される累進税率のうち最も高い税率をいいます。

(出典 税理士法人FP総合研究所)

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